昨日１１月２日、映画監督であるデヴィッド・リンチ氏の新しいアルバム『CRAZY CLOWN TIME』が出てしまいました。大好きなリンチ氏が映画を作る気配をまったく見せないので愚痴がてら彼の新作の宣伝(?)です。リンチさん、今回はギターもボーカルも自らやってしまうという気合いの入れよう。思えば私がリンチ氏(の作品)と初めて出会ったのは１６歳。『エレファントマン』でした。これが彼の日本メジャー初公開作品ですからもちろん私も彼を知りませんでした。それから１０年、『ワイルド・アット・ハート』でハートを射抜かれましてリンチ教に入信(はしていませんが)。そしてまたまた約１０年後、３０を過ぎてからはもうこころがふるえるほど感動する映画には(自分のこころがささくれてきたんで)出会えないのかなと思っていたところに『マルホランドドライブ』の衝撃！おそらく２１世紀を通してもベスト１０に入る名作として残るでしょう。この１０年周期の法則をもってすれば、そろそろすごい新作映画が出るはずなのですが…。(写真：Crazy Clown Time [解説付・ボーナストラック1曲収録・国内盤] (BRC304))

そんなリンチはここのところ音楽活動とコーヒー豆の販売に熱心で新しい映画が出てくる様子はありません。好きなアーティストが何かをしていてくれるというのは嬉しいのですが、でも、でも、私はやはり映画が見たいのです！！

と嘆いてばかりいても仕方がないので少しだけアルバムの紹介を。内容はダークです。ブルーベルベットのようにダークです。お天気の良い昼間には聴きたくありません。でもリンチワールドが見え隠れしていますので、映画が発表されない寂しさをこれでファンは紛らわすことができる(かもしれません)。私としてはむしろ以前に出された『GOOD WOOD』のほうが圧倒的に好きですねえ。夏の夕暮れを感じます。(写真：アルバム『Good Wood』)